さて、そんな『川甚』の歴史を紐解いていきましょう!創業は先述の通り寛政年間(1790年頃)。葛飾と言わず、都内でも有数の老舗です。古くは江戸川の岬にあり、船がそのまま店に入れる造りになっていました。その後、現在の柴又帝釈天の裏に移転したそうです。
明治・大正期には多くの文豪たちに愛されました。夏間漱石、谷崎潤一郎、松本清張と名立たる文豪達の作品にこの『川甚』が登場します。
ただ、鈴木家にとって『川甚』は諏訪博(演:前田吟)と車さくら(演:倍賞千恵子)の結婚式が行われた会場なのです。
父親と大喧嘩し、20年振りに故郷・柴又へ帰ってきた「フーテンの寅」こと車寅次郎。そのたった1人の妹・さくら。妹には幸せになってもらいたいと勝手に妹の結婚相手探しに奔走する寅次郎。
しかし、さくらが選んだのは実家の団子屋の裏の印刷工場に勤める青年・博でした。そんな2人が結婚式を挙げたのが『川甚』でした。「男はつらいよ」の映画には各所に建物や屋号が書かれた看板が登場します。
閉店はしても『川甚』は映像と共に語る継がれていくでしょう(^-^)